子供が小学校の低学年まで住んでいた広島のとある町での話。
コンビニが一つあるだけの住宅街の通学路の途中に「黒あめばあさん」はいました。
黒あめばあさんは道端に座っていて、学校から帰る子供に黒あめをくれるのだそうです。
毎日ではありませんでした。
黒あめばあさんがたまにしかいなかったのか、その日の分の黒あめがなくなって、毎日もらえるわけではなかったのかわかりませんが、その「たまに」感もまたよかったのでしょう、黒あめをもらえた日は「黒あめばあさん、いた♪」とうれしそうに、黒あめを食卓に置いていたことを覚えています。
子供は黒あめが好きではなくて、黒あめはもっぱら私のお腹に入っていたのですが、でも黒あめをポケットから取り出すときの子供のちょっと得意そうなうれしそうな様子が忘れられません。
わたし自身は「黒あめばあさん」に会ったことがないのですが、黒あめを見ると今でも「黒あめばあさん」のことを思い出して、ほわんとした気持ちになります。
「人は生きているだけで意味がある」という言葉を、聞いたり読んだりしたことがあります。
自分のこととして考えると、そういうものかなぁ、とも思うのですが、黒あめばあさんのことを思い出してうれしい気持ちになると、そうかもしれないなぁ、と思ったりもしています。
(絵、安本洋子さん)(きなこ)
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しゅうじ (日曜日, 05 2月 2017 12:21)
私もたまに飴いただきます。飴を出すのにも時間がかかるお婆さんたちばかりなので、ほんと申し訳ないのですが。飴貰っちゃうととっても嬉しくなります(^^♪
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=359158324266592&set=a.130019740513786.1073741829.100005172816752&type=3&theater
きなこ (日曜日, 05 2月 2017 18:48)
こんにちは♪
そうですか、それ、なんだか映画のワンシーンみたいですね。
配役はおばあさん役は菅井きんさんか樹木希林さん。男性役は浅野忠信さんか瑛太さんかな?
あまり映画俳優を知らないのに書いていますが…。
いい光景ですねぇ。