毎月一度、ケアマネさんが来てくださいます。
小学校低学年と年中さん、女の子二人の若いお母さんです。
もう何年もお世話になっているので、わたしたちもすっかり馴染んで、世間話をするのもたのしみ。
そのケアマネさんのお嬢さんたちの話です。
春休みのある日、お姉ちゃんが、近所に住むおじいちゃんのところにお泊りに行くことになりました。
保育園に通っている妹の女の子。帰ってきてそれを聞いて、「わたしも、行く!」
忙しいお母さんは、「行きんさい、行きんさい♪」
すると妹女の子、「お弁当作って!」
おばあちゃんちのご飯を食べたら、と勧めたそうですが、「お弁当も食べるの」
で、取り急ぎ、小さなお弁当箱に、ありあわせのおかずを2個ずつ積めて用意。
妹女の子は、それを持っておじいちゃんちに出かけたそうです。
「洗濯たたんだり、なんだかんだ用事を済ませて、お夕飯どきに、私も実家に行ったんですけどね、「ご飯よ」と呼んでも、二人とも来ないんですよ。
隣の部屋を見たら、畳の上にハンカチ広げて、ひとつのお弁当を二人で分けて食べているんです。
たいしたもの入ってなくて、おばあちゃんのお夕飯のほうが、よかったんですけどねえ。」
きっと二人にとって、畳は青い草原で、姉妹二人、野原の中でお弁当を食べている気分だったのでしょう。
子供の世界だなあ。
本当のピクニックに行ったのと同じくらい、畳の上の二人のお弁当は楽しかったのだろうなあ。
わたしもたのしい気持ちにさせてもらったイイ話でした。
(絵、安本洋子さん)(きなこ)
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