キラキラした青春時代を送っていないせいか、若さをうらやましいと思うことは、今でもあまりありません。
具体的になにか苦しい理由がわたしにあったわけでなく、あえて言うなら、しんどい理由もないのにしんどいことがしんどかった、という感じでした。
まあ、一言で言えば、なさけない若者だったということです。
あの頃のことを思い出すとき、一緒に思い出すのは、ピアノです。
なんだかわからないしんどさをただ持て余して、それを言葉にすることもできず、言葉にならない思いを伝えられる人もなく、それを受け止めてくれたのは、ピアノでした。
小学校でやめてしまったので、上手ではなかったのですが、思いつくままの曲を弾いていると、心が軽くなりました。
あの頃、わたしが好きだった時間は、ピアノを弾いている時間と、お風呂に入って、頭の先までお湯にもぐって、音のない世界にいることでした。
鯨は大きいがゆえに、陸上から海に追いやられた、と聞いたことがあります。
こんなに大きなピアノという楽器が、今でもこうして全世界中の家庭にあるのは、わたしのような人が意外とたくさんいるからかもしれないな、と思うことがあります。
(写真,yama-p)(きなこ)
♪写真をクリックすると、パーキンソンブルーをお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=QuLIX1EW9oM&feature=youtu.be
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