昨夜、患者仲間のTさんから元気さんに連絡があり、「Nさんが、大たい骨を骨折して、明日、緊急手術をされることになった」と知らせてくださいました。
元気さんが、大声で私を呼んで、それを教えてくれました。
Nさんは、元気さんと同じように、オンとオフの症状に悩む患者さんです。
家まであと100メートルのところで、友達の家の野菜の直売ボックスに気をとられて、転倒してしまったのだそうです。
パーキンソン病の患者さんは、どうしてだか心やさしい方が多いのですが、Nさんもとびきり優しい人で、自分のことはさておいて、人のことばかり心配して飛び回っていらっしゃる方です。
なにかしてくださっても黙っている。
自分のことは言われない。
そんなNさんのことを、親しいお仲間は「奥ゆかしいNさん」と呼んで、応援されています。もちろん、私たちも、その応援団の一員です。
患者会の仲間に入れてもらっていると、どうしてこんないい人に、こんなに何度もつらいことが重なるんだろう、と、悲しさとか、運命への恨みの気持ちを通り越して、不思議な気持ちになることがあります。
私たちは、先祖のご仏壇を拝むくらいの無信心者ですが、こんなことに出会うと、「神様っておられるのだろうか?」とやはり思ってしまいます。
そんなことを私が言うと、元気さんは、「神様とか、仏様って、自分にとって、都合のいいようにしてくれる存在ではないんだよ」と答えます。
ああ、やはり、この人は、患者さんだ。24時間、痛みとともに生きる人だ、かなわないな、と、そんな答えを聞くとおもいます。
きっとそうなんでしょう。そういうものなのでしょう。
でも、やはり、仲良しの人がしんどい思いをしていると思うと、その痛みに対して無力である自分の非力を知って、大きなものに助けてほしくなり、助けてもらえないことを恨みたくなる、そんな小ささから抜けることがまだできません。
・・・、今、ここまで書いたら、メールがとどき、Iさんが転倒して入院された、と連絡がありました。
どうか、みなさん、どなたも転倒には、十分十分、お気をつけくださいね。
お願いします。
(高嶋宏子)(きなこ)
♪絵をクリックしたら、きみがいた、をお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=O_Jj9vXUpR4
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スミピー (火曜日, 19 9月 2017 16:57)
げんきなこさん、
まずは高知でのライブの旅、お疲れ様でした。ほんと大変だったのですね。
健康な人でも狭い車の中で一泊するというのは大変なことですが、元気さんはさらにしんどい思いをされたのではないかと勝手に推測し読みながら今更ながらにこちらまで何とも辛い気持ちになりました。無事帰られてよかった。
同時にげんきなこさんはいつもそれくらい大変な思いをされあちこちライブに駆け回ってらっしゃるんだと改めて頭が下がる思いもいたしました。
そして今回のエントリー…
これまた読ませていただきながら、転倒されたお二方がどうか一日も早く無事回復されることを祈りますとともに、前のエントリーで元気さんが車のなかで突然オフになられたというお話や以前からお聞きしていることなども含めまして、パーキンソン病患者の皆さんの生活の不自由さが何とか少しでも…少しでも軽くならないものかと、これもまた天にも祈るような気持ちにもなりました。
いや??
でもでも…(汗)
元気さんの
「神様とか仏様って、自分にとって都合のいいようにしてくれる存在じゃないんだよ」
という一言、、、
本当に深いというかすごく重みがあるというか…なんて言えばいいんでしょう?
これまでたくさんお辛い思いをされてきたからこそ辿り着かれたそれこそほんと、誤解を恐れず言わせていただくなら強く尊い信仰心とでもいいましょうか…
僕などはどうせこの世に神様なんてきっといないんだと常日頃思ってるくせに、ほんと都合のいいときに「神様ーっ!!」なんて祈ったりして…昨日のカープの試合のときとか(笑)
いやいや、もとい^ ^;
つまりは今日このブログを読ませていただき、ほんと素晴らしい言葉や考えた方に巡り逢えた気がして…すごく衝撃を受けました。
本当にどうもありがとうございました。
(あらら、何ともまとまりの悪いかなりの長文になり申し訳ありません…苦笑)
きなこ (火曜日, 19 9月 2017 21:24)
スミピーさん
こんばんは♪
いつも、私のほうが感銘を受けるコメントをありがとうございます。
まずは、ライブの行き帰りの道中について。
「いつも大変な思いをされて、あちこちライブに駆け回ってらっしゃる」なんて書いてくださっていましたが、そんなこと、全然ないんですよ。
むしろ、たのしい♪
元気さんが、このホームページのトップページにも書いている「50代夫婦の青春物語」、これを読んだときは、まあ、自分でよく書くわぁ、と思いましたが、でも、実際、そういう気持ちです。
そもそも、普通は、たとえ若い頃こんなことをしていたとしても、分別盛りのオジサンオバサンになったら、「もう、あれは卒業です。」という感じで、こんなことしないですよね。
たぶん、わたしたちは、若い頃、ごく普通に暮らしてきたので、逆に今のこの無鉄砲な毎日がオモシロくて、楽しめているんじゃないかな、という気持ちもしています。
だからしんどくはないんです、わたしは。元気さんは病気なので、体はしんどいこともあると思いますけど、でも、元気さんにしても、しんどいのとたのしいのを秤にかけたら、きっと楽しいのが勝って、こうしているのだとわたしは思っています。
それから、パーキンソン病のことを、とても深く考えてくださって、やさしい気持ちをたくさんくださって、ほんとうにありがとうございます。
元気さんのことを、ずいぶんよく書いてくださっていましたが、でも、元気さんだけでなく、患者さんはみんな凄いな、とわたしは感じています。
患者仲間の方々は、わたしのことを元気さんと区別せずに仲良くしてくださいますが、「違うな。追いつけないな」と感じる折々があって、それは何かというと、スミピーさんが書いてくださった「深さ」です。
病気が人を育てるということが、やはりあるんだと思っています。