超える

７連覇を目指していた内村航平君が、足の不調で途中棄権した、

というテレビニュースを、先日見ました。

揺らぎのないきれいな演技。

そしてきれいに着地して一瞬の後、痛みにゆがんだ顔。

 

一緒にテレビを見ていた元気さんに

「痛そうだねえ、練習のし過ぎかな。練習に体が耐え切れなくなったのかな。」

と、言えば、

「そうだろうね。」

と、元気さん。

「でも、すごいよね、普通は防衛本能が働いて、体がギブアップするまでできないもんだけどね。フリーで失敗した羽生くんも、同じかな」と、感心しながら言えば、

「うん、彼らはある意味、「人間」を超えてるんだと思うよ。」

と、元気さん。

人間を超えてる？！

うーん、でもそう言われてみれば、そうなのかな。

 

パーキンソン病は、体が動きにくくなる病気で、その症状を主として薬でコントロールしています。

と同時に、リハビリがとても大切とも言われています。

でも、動きにくいに体を動かしてください、という話ですから、リハビリは、けっこう大変です。

だから、元気さんはリハビリが嫌い。

「自分は、リハビリ嫌いな落ちこぼれ患者です」

と言ってはばかりません。

そんな宣言しないでいいから、努力してよ、と言うのですが、でも考えてみれば、「体が壊れるほど努力できる」内村君より、「体が動きにくいから、動かしたくない」元気さんの方が、人間的といえば人間的なのかもしれませんね。

でも、それでいいとは言えないけれど。　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（絵、高嶋宏子さん）（きなこ）

 

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https://www.youtube.com/watch?v=qaL1XyYscDM