たわいない母との会話の中できいたクリスマスの話です。
「小さい頃から、クリスマスってあった?」
「そりゃ、なかったよ」
母は昭和18年生まれ。2歳で終戦を迎えました。
「じゃ、いつからクリスマスって知ったん?」
「それは、はっきり覚えとるよ。
お隣に、同じ年の女の子がいてね、その子の家に、ある年、サンタさんが来たんよ。
「靴下をぶら下げとったら、プレゼントが入っとったんよ」って。
それで、みんなで大騒ぎになってね。
その次の年から、うちにもサンタさんが来るようになったんよ。
小学校2年か3年だったかね。」
なんて、いい話でしょう。
母は4人兄弟の一番上。
瀬戸内海の島に暮らす田舎の女の子でした。
そのお隣の家に、サンタさんがやって来た!
プレゼントを持って来た!
プレゼントをもらったお隣の子の家から、うらやましさと憧れでいっぱいになって帰ってきたお姉ちゃんの話は、弟、妹たちにも伝染して、その日、兄弟は大騒ぎだったことでしょう。
その様子を見ていた祖父母の気持ちは、どんなだったでしょう。
翌年からクリスマスを始めた気持ちを思うと、なんだか、とてもあたたかくなりました。
戦後間もない日本で、あっという間に異国の習慣が広まったのは、親の子に対する愛情のゆえだったのだなあ、と思い、とてもうれしくなっています。
(写真yama-p)(きなこ)
♪写真をクリックしたら、くつしたクリスマスをお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=J0MlTZvDd6k
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