かわいいお声のAさんから、お電話をいただきました。
今日、Aさんのお声は、時々、波が引くように遠くなって、また大きくなっていました。
鈴が鳴るようなお声はわたしの耳に気持ちいいけれど、Aさんの体はジスキネジアで揺れて電話口から離れたり近づいたりされているのだろうな、と思いながら、受話器をしっかりと耳につけて、お話しをしていました。
「亡くなった父に、小さい頃よく言われてたの。
『きみは残念なことにべっぴんさんではないけれど、笑っているとかわいいから、いつも笑っていなさい』って」
「まあ! でも、お父様がご自分の娘に『べっぴんさんではない』っておっしゃってたってことは、見た目に天狗にならず、いつも笑顔でいなさいってことをお伝えになりたかったのでしょうかねぇ」
「ああ、そうなのよ!
父は、「謙虚さを覚えなさい」ってことも、いつもわたしに言っていたの。
でもね、父が、『いつも笑っていなさい』って言っていたから、今でも私は『いつも笑顔でいよう』って思うの。
最近体がしんどくて、つらくてね。
周りの人もそんな人が多いから、今度みんなで集まったら、一緒に歌を歌おうと思うのよ。
歌っていたら、歌う間は、病気のことを忘れられるでしょ。
『しあわせなら手をたたこう』の替え歌で、『パーキンソンには負けないぞ!』って。
わたしが作ったの、いいでしょ」
そういって、ワンフレーズ、Aさんは歌ってくださいました。
今日は一日、Aさんがかわいいお声で、きっぱりと歌われた「パーキンソンには負けないぞ」のフレーズが耳に響いています。
(絵、これこさん)(きなこ)
♪絵をクリックしたら、「パーキンソンブルー」をお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=QuLIX1EW9oM
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