今日は、和高節二さんという日本画家の生誕120年の関連イベントに声をかけていただき、安芸高田市に行ってきました。
その帰りに、患者会の方のお家に二人でお邪魔させていただきました。
『お庭を作ってもらって、とても素敵な庭が出来上がったの。一人で見てるのがもったいないから、見に来て』
と、数日前、電話で誘っていただきました。
彼女は早くにご主人様を亡くされ、今はお一人暮らしです。
リビングダイニングの扉を開ければ、硝子サッシの向こうは、一面のお庭。
奥行き3メートルほどのテラコッタ張りのお庭に、もみじ、まゆみ、万両、シャラ、あじさい…等々。
樹木の名前をそれほど知っているわけではない私が見ても、春夏秋冬、どの季節でも目を楽しませてくれるお庭にしつらえてあるのだろうなあ、と思われる豊かなお庭でした。
『昨年末、父が亡くなってね。母もその前に亡くなってたから、落ち込んでしまって、私も死ぬことばかり考えてたの。
でも、これじゃあいけないと思って、父の遺産で庭を作ることにしたの。
でも、作って良かった。すごく癒されているよ』
あんこをたくのが上手な彼女のおはぎをいただきながら、小雨に濡れるお庭を見ていたら、私の心もくつろぎました。
遺産で作られたというお庭だけでなく、『これではいけない』と思われた底力や、遺産でお庭を作ろうと思った感性も、ご両親から彼女への贈り物なのだろうなと思いながら、しっとりと美しいお庭を眺めていました。
(絵、高嶋宏子さん)(きなこ)
♪写真をクリックしたら、「赤トンボ」をお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=qaL1XyYscDM
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