スーパーの陳列棚に懐かしい缶詰を見つけました。
リリーの桃缶。
小さい頃の記憶と同じラベル。
深緑と白の下地に、桃の絵が描いてありました。
値段は540円。
国産白桃、と缶に書いてあります。
缶の中には半分に割った桃が入っていたと思うのですが、一体何切れ入っていたでしょう。
缶詰は安いというイメージがありますが、リリーの缶詰、意外といいお値段です。
そういえば、小さい頃の記憶の中のリリーの缶詰は、贈答品の箱の中に並んでいました。
お客様が帰られると、弟と二人で応接間に走っていって、手土産の包みをビリビリあけて、中を見るのが楽しみでした。
蓋を開けてガッカリする場合もありましたが、缶詰セットは子供にはウレシイものでした。
リリーの桃缶ははるさめみたいな緩衝材にくるまれて、大事なお姫様みたいに箱に納まっていました。
桃缶がわたしにとって特別な缶詰なのには、もうひとつ理由があります。
中学生だったかの頃読んだ漫画の中で、登場人物が桃缶を食べるシーンがありました。
熱のために食欲のない人に
「何が食べたい?何でも言って」
と尋ねると、その人は
「桃の缶詰」と答えました。
ベッドの上の人が食べる桃缶のおいしそうだったこと!
タイトルもストーリーもすっかり忘れましたが、熱でほてった人がなんともおいしそうに冷たくて甘い桃を食べていたそのシーンが印象的で、以来桃の缶詰は私にとって、ミカン缶やチェリー缶と違う、特別な缶詰になりました。
私自身は、熱のときは、桃ではなく擦りおろしりんごを食べていたのですが。
リリーの桃缶、今でも同じ味かな。
(写真は、ジュリエットさんお手製の梅干)(きなこ)
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コロン (金曜日, 09 8月 2019 05:35)
リリーの桃缶懐かしいです。高くてなかなか買えませんでした。いつも私のそばにいた人、熱がでた日には桃缶を催促していました。500円以上の缶詰は普段はなかなか買えません。しかし食べるとなぜか元気になります。15年前車で向かう途中桃缶の催促。スーパーで桃缶と缶切りを買い届けました。冷えてなくても喜んで食べてくれました。暑い暑い日でした。あの日がもうすぐ来ますあれから買った事はないけど近く買ってみようかな。
スミピー (金曜日, 09 8月 2019 19:02)
こちらにもすみません。
あんずのミックスジュースに使うフルーツ缶にも桃が入っているのですが、フルーツ缶を二つに分ける際には桃だけ数をきっちり数え分けます。これはフルーツの量を均一に分けるためなのですが何だかいつも桃だけ特別なような気がします。
と、話はあまり関係ないものになってしまいましたが…
コーヒーショップあんずのミックスジュース美味しですよ!
と、宣伝でもしときますかね(笑)
リリーの桃缶知らなかったのでぜひ今度探してみます。
きなこ (金曜日, 09 8月 2019 20:06)
コロンさん、こんばんは♪
驚きました。
熱が出た日に桃缶を食べていた人が、ほんとうにいるんですね!
読みながら、なんだかちょっと涙が出そうになったのはなぜか、自分でもよくわからないのですが、桃缶だけでなく、缶切りも一緒に届けてあげたコロンさんの細やかな心遣いにもジンとしています。
抜けてる私なら、無人島に流された人に桃缶を届けるのにしたって、缶切を忘れそうな気がしますが、缶切りはきっとあるにちがいないのに、熱を出した人に缶切を用意させる手間をかけさせないために買っていく気遣いが、ああコロンさんらしいなあ、と感じました。
人は、こういうことを思い出して、あとで涙が流れるんですよね。
きなこ (金曜日, 09 8月 2019 20:19)
スミピーさん、あんずのミックスジュースが、お勧めなのですね!
初めてスミピーさんのお店にうかがい、今日は私の「あんず記念日」になりましたが、次回は、ミックスジュースを注文しますね。
でも、ミックスジュースを作るとき、桃だけ数を数えるって、なんだか面白いですね。
桃は特別、という文章を読みながら、そういえば、ネクターという桃のジュースも好きだったなあ、と思い出しました。