自分が年をとると、誕生日が来たからといって、そううれしくもないのですが、ああ、この日母が私を産んでくれたのだなあ、父がよろこんでくれたのだなあ、というふうに思うようになりました。
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私が初めて子どもを生んだ日、産院に来てくれた父は、帰リ際、悪いことでもするように、サッとビニール袋を置いて帰りました。
何?と見たら、卵。
ゆで卵ばかり、10個ほど入っていました。
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産院にいるのは5日。
もちろん食事も用意されているし、さらに私は10キロも妊娠太りして、むしろダイエットしないといけなかったのですが、父のゆで卵を捨てることもできず、毎食毎食、さらにおやつにもゆで卵を食べました。
あとになって、母にその話をしたら
「まあ!お父さんはそんなことをしちょったんかね」
と驚いていました。
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戦時中に生まれた父にとって、考えつく一番滋養のあるたべものが卵だったのでしょう。
母の目を盗んで卵をゆでている不器用な父の姿が、年をとるごとにあざやかに、まるでドラマを見ているように思い浮かびます。
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こんなしょうもないムスメでも、両親にとっては「愛し子」なのだろうなあ。
そう思えることを、ありがたいことだなあと思ってます。
(絵、岩﨑美智子さん)(きなこ)
♪絵をクリックしていただくと、愛し子をお聴きいただけます。
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廣瀬洋子 (土曜日, 13 6月 2020 01:07)
久しぶりにブログ拝見しました。
きなこさんのお誕生日は6月12日だったんですか。
日付変わってしまったけどお誕生日おめでとうございます。
ちなみに私の誕生日は明日の14日なんですよ。
私も誕生日を迎えると自分を産んでくれた母に改めて感謝の気持ちが湧いてきます。
やはり歳を取ってからそう思うようになったかな。
お父様のゆで卵には愛がいっぱい詰まってましたね。素敵な思い出ですね。
愛し子はとっても好きな曲の一つです。
聴くたびに胸が熱くなります。
藤山晴美 (土曜日, 13 6月 2020 07:18)
一日遅れのお誕生日おめでとうございます�私は当日にお祝いのメッセージいただいていたのに申し訳ありませんでした�きなこさんは、御両親の愛情をいっぱいに受けて育ったんだなぁ❤️と思っていましたが、やはり、そうだったんですね!きなこさんの人柄から、そう思っていました。私も初めて子どもを産んで無償の愛と言う事が少しずつ分かるようになりましたが、てもまだまだです( -_・)?両親、兄を亡くした今、余計に愛情を感じています。愛し子と赤とんぼは両親、兄を思い出し涙して聴いています(ToT)�きなこさんも今は充電期間だと思って、ゆっくり休養してくださいね。また"げんきなこ"さん達と一緒に活動できる日を楽しみにしています(^-^)/��
きなこ (土曜日, 13 6月 2020 13:58)
藤山晴美さま、廣瀬洋子さま
こんにちは。
コメントをありがとうございました。
でも、私の誕生日は、6月ではないんです。
なんでそんな勘違いが起こったのか、ちょっとわからないのですが
でも、おめでとう!を余分に言われて、うれしいです。
年を1つ余計にとるのでは困りますけど。(笑)
どなたも同じことだと思いますが、
親のことは、自分が年をとるごとにありがたさと切なさが増しますね。
祖父母、友人、親戚・・、あちらに逝ってしまった大切な人の多いことに、
たまに愕然として、自分の残り時間の少なさを思うこともあります。
そう思うたびに、大事な人を大切にしながら過ごしたいなあとも思います。
うれしいメッセージをいただき、ありがとうございました!
そして、洋子さん、明日のほんとうの!お誕生日、おめでとうございます♪
ゆっこ (火曜日, 16 6月 2020 20:48)
こんばんは。久しぶりに「愛し子」を聴かせていただき、つい涙がでてしまいました。少しここに書かせてください。岩﨑さんの透明なすてきなイラストに沿って流れるきなこさんの透き通る歌声、こころ洗われるひとときです。自分を生んでくれた(60ん年前の昨日15日のことです)今は亡き親のこと、そして自分の子どもたち、ふたりの娘の子ども時代、ふたりいた兄たちのこと(藤山様と同じでしょうか)などが、走馬燈となって流れます。
娘たちは県外に住みまだ独身なので、「愛し子」をじっくり聴くのはまだまだ先です。いつになるかな?
げんきなこさん、いつもいい曲と歌声をありがとうございます。
生歌を早く聴きたいなぁ♪と、改めて思うことでした。
きなこ (金曜日, 19 6月 2020 12:56)
ゆっこさん、お返事が遅くなってすみませんでした。
今読ませていただき、とてもうれしく、またじんとしています。
どんなに年をとっても、親の前でいつまでも子供である自分と、そうは言っても、たよりないながら親を心配する気持ちと、入り混じってせつなさ、親に対する気持ちは、年々大きくなるように思います。
問題は、それを言葉にできないことで、感謝の気持ちをいつまでも伝えることができないことです。
恥ずかしがりな、不自由な親子です。